DRXのヘイヴンAセットは阻止不可能?世界の強豪の対策を紹介

4/11(月)、2022 VCT Stage1 Mastersにて日本代表ZETA DIVISIONと韓国代表DRXの試合が行われました。

結果はアイスボックス2-13、ヘイヴンは3-13でDRXの圧勝。どちらのマップもDRXが攻めスタートで、ZETAはその勢いに飲まれてしまいました。特に、ヘイヴンの試合ではA攻めばかりを繰り返していましたが、ZETAが返せたのはピストルラウンドのみという結果に

そこで今回は、DRXのA攻めの強さについて迫っていこうと思います。よろしくお願いします。

※ちなみにDRXのヘイヴンは国際大会で負けなしです

目次

【速報】PRX、MastersにてヘイヴンでDRXに勝利!

2022年4月16日(土)、PRXがついにDRXの攻めを崩しヘイヴンで勝利を収めました。

DRX攻撃側について簡単に紹介していきます。

PRXの対策が完璧すぎたピストルラウンド

DRXのピストルラウンドは、今までの試合の傾向からほとんどAラッシュを仕掛けてきます。今回のヘイヴンでも同様でしたが、PRXがしっかり対策してラウンドを取りました。

・まずPRXはAに一人も配置していません。この記事でも紹介していますが、DRXのAセットはサイト内では止められないことへの対策です。

・サイト内のBenkai選手のワイヤーの位置は、DRXがAを攻めるときにほぼ毎回使っているBuZu選手のエントリー位置への対策です。クラウドバーストの音でワイヤーの音がかき消されるので、いつものように前に進むと引っかかってしまいます。

・次に、ミッドからの3名での裏取りです。DRXのAラッシュは初めからAに5人集まるので、裏取りが簡単なことを読んでいたのでしょう(ラウンド初めから速攻で裏取りを初めています)。

・3名でスキルを合わせて裏取りを見張るZestたちを落とし、CTで裏取りを待っていた味方と合わせてAサイトを挟んでいきます。ワイヤーでのワンピックにより、有利にカバー合戦を行うことが出来ました

DRXの動きをしっかり研究し対策して掴んだ勝利でしたね。ZETAも似たような動きでピストルを取りましたが、裏取りの早さやワイヤーでのワンピックなど違いも少し見られます。

中守りはしない、徹底した前目配置

次のラウンドもすごかったです。

PRXのA守りはとにかくサイト中で守らない、詰めを徹底しています

ロングやショートから詰め、Aへの進行をAロビーの時点で食い止めています。DRXの徹底されたカバーでうまくかいくぐられることもありましたが、セットアップをさせない動きは間違いなく刺さっており、この試合ではAへの攻めが露骨に少なかったように感じられます。

また、PRXはAだけでなくBプッシュ(タレットの破壊)やCプッシュも取り入れておりデュリストの臆することのない、強気な姿勢が目立った試合でした。

カバーを取らせない、Jinggg選手のレイナが光る

ロングを守っていた2名が崩されましたが、Aショートから詰めていたJinggg選手が破壊しました。また、この次のラウンドもJinggg選手が撃ち合いでDRXを壊していきます。

どちらのシーンもディスミスが無ければカバーキルされていたので、レイナの強みが出たシーンでしたね。

DRXはカバー意識が非常に高いチームなので、無理やりワンピックを取って下がる動きが刺さります

A攻めの強み①サイト内守りが不可能

Vision Strikers対Full Senseのピストルラウンド。FSはAへの足音を聞いてサイト内で3名で守りますが、一人も削れず壊滅してしまいます

他の試合も色々見ましたが、サイト内で守り切れたチームは一つもありませんでした。

サイト内の構造

そもそもヘイヴンのAはサイト内守りが難しいことで昔から有名です。

立てるポジションが限られており、唯一射線を切れるサイト真ん中のボックス(トラック)は、左右から簡単に挟むことが出来てしまいます。

構造上攻め側が有利になっているため、コンペティティブでも中守りが難しそうなら無理せず引くことがセオリーになっています。

練りこまれたセットアップ

ただでさえ守りづらいヘイヴンAサイトですが、コンペティティブなら何とかサイト内で守り切れるラウンドも多いのではないでしょうか。

しかし、対DRXにはそうはいきません。彼らには2020年から培ってきた伝統のセットアップ「ジェット+フラッシュポイント」(+リコンボルト+パラノイア)があります。

ジェットがエントリーするときに左(落書き)張り付きを確認し、フラッシュポイントでトラック裏とラフター下の敵を目潰し。視界が不自由な敵をジェットがそのまま倒していきます。

VSのセット

ブリーチが強化された2020年9月辺りからずっと使い続けているセットプレイです。

画像は一例ですが、Aショートからエントリーするセットや、フォールトラインやロックダウンなどのアルティメットを活かしたA攻めも見られるため作戦の多様性もあります。

高いカバー意識

ジェットが落書き張り付きとサイト裏をクリア、他のメンバーも止まらずにどんどん奥に入りジェットのカバーをしていきます。

ただアビリティのセットが強いだけならDRXのA攻めはここまで驚異的ではありません。A攻めがどうしても止められない理由こそがDRXの徹底されたカバー意識にあります。

エントリーしたジェットがやられようが、アビリティ+ジェットのおかげで敵の大体の位置が掴めているため後ろから付いてくる残りのメンバーが速攻でカバーしてサイト内が壊滅します。

また、DRXのカバー意識の表れとしてA攻めをする時にラークを置かないことが挙げられます。キルジョイがミッドを取ってそのままラークするシーンが日本シーンやコンペティティブだとみられますが、DRXは一度A攻めをすると決めるとキルジョイも本隊に合流しサイト内に突っ込んでいきます。

人数をしっかり集めて進行することで、カバーが絶えず事故の起きない攻めが実現できるのです

A攻めの強み②設置後も強い

設置後配置

Aの設置後は、しっかり配置に付けば簡単にクロスを組むことが出来ます。これはコンペティティブでも実感しやすいので皆さんもぜひ配置と味方のカバーを意識してみてください。

上の画像はDRXが昔からよく使っている設置後の配置です(落書き、タワー下、Aショート)。タワー下に2人以上いることも多いですね。

CTから敵が来る場合

落書きとタワー下の味方が敵を確認するまでは、Aショートのプレイヤーはピークしない

CTから敵が入ってきたら落書きの一人とタワー下の一人で挟みます。また、敵が確認出来たらAショートのプレイヤーもピークして加勢します。

コンペティティブでも簡単に出来るので皆さんもぜひやってみてください。

タワーから敵が来る場合

落書きのプレイヤーとAショートのプレイヤーで2つの射線を作り敵を倒していきます。

設置後の遅延もしやすい

ブリーチのスキルを使えば設置後の時間稼ぎも簡単に出来ます。リテイクのためのアビリティを入れるとすぐにスキルが返ってくるので、ただでさえクロスを組まれてしまう正面(CT)からのリテイクがさらに厳しくなっています。

大会でもCTとタワーからスキルを入れてリテイクするはずが、CTの方だけスキルで止められてタワーから降りた側が蜂の巣にされるパターンがよくありました

印象的な場面まとめ

vs PRX

正面からのリテイクの難しさ

正面からのAリテイクの難しさを物語るラウンドです。PRXは5vs4でリコンの情報もあり有利に見えますが、サイト内のVSのクロスに上手く処理され一気に1vs3まで持っていかれてしまいます。

ただ、このラウンドはPRXのミスも目立ちました。

ソーヴァのShiba選手がタワー下に降りジェットのBuZz選手の後ろを取ったはずなのですが、なぜかキルが発生していません。おそらくd4v41選手が焚いたフラッシュで画面が見えなかったのでしょう。

このミスが無ければ鉄壁の布陣を崩すことが出来たかもしれません。

ミラクルが必要?

このラウンドではまずVSはミッドを取りガレージに犬を流し情報取り+圧をかけます。その後Aサイトにローテートしています。

しかしフォーセイクン選手がAロングからVSの横を取り2キルを獲得。その後Aショートを陣取って味方の寄りを待ち、VSがサイトへ入ったところで一気にリテイクを仕掛けラウンドを取得します。

vs Acend

パラノイアと箱上のポジションを使ってセットを止めた例

VSはショートに狼を流し、ロングからジェットがエントリー。お得意のセットプレイです。しかしAcendはそれにしっかり対応し、VSの攻めを上手く崩すことが出来ました。

  • Aショート→Aリンクからパラノイアを流し待機していたzeek選手が倒しに行く
  • Aロング→ブリーチのフラッシュを食らわない位置で待っていたcNed選手がエントリーしてきたbuzz選手を撃破
    →ショートとロング両方がやられたため、カバーが出来ない!

さらにその後、cNed選手がAロングを詰めて情報を取りに行き、前目の位置でワンピック取れたのも大きいです。

しかし、VSも一筋縄ではありません。残り2人になってもしっかりカバー出来るように固まって動き、アビリティを入れAサイトへ入っていきます。もしBONECOLD選手のスーパークラッチプレイが無ければそのままVSがラウンドを取っていたかもしれませんね。

vs FULL SENSE

早めのリテイク

これがVSのA攻めに対する答えなのではないでしょうか。

前目に配置されたジョンオルセン選手が敵のA攻めを察知し、CTまで完全に引くことでアビリティのセットで倒されるのを防ぎます。

さらにVSが設置をしている間にリテイクを開始することで、お得意の配置に付く前にAサイトの要塞を崩しています。タワー下へのガイディングライトは見事でしたね。

こうしてみると、VSがサイト中守りをしていてFSがそれを攻めているようにも見えます。

vs Fnatic(無限A攻め)

前目の位置でアビリティを合わせてAに集まったVSを足止め。VSが体制を整えている間に進めていたCとミッドから裏取りが上手く刺さったラウンドです。

また、この試合でVSは5ラウンド目以外全部Aを攻めています。サイト中守りはせずリテイク配置を徹底するFnaticと、その狙いを読んで裏取り警戒やサイト内の配置を変えるVS。正面の人数を減らし裏に3人かけていることから、FnaticはVSをしっかり研究してきたことが見て取れます。ただそれでも最後までラウンドを取り切るVSの対応力は本当に恐ろしいものですね。

面白い試合だったので、VS攻めのラウンドだけでも良いのでぜひ一度通して見てみてください!

DRXのA攻めを止めるには?

前目にアビリティを使ってセットが始まる前に人数を削る

セットアップ開始の音を聞いてパラノイアを放つ

DRXがセットプレイを開始する瞬間にアビリティを入れて食い止めれば、勢いを咎める他、人数を削ることが出来ればリテイクが楽になります。しかし、ただ足止めスキルを入れるだけだと数秒待った後にエントリーされるだけなので無意味です

Acend戦ピストルラウンドのパラノイアのように、初見殺し性能の高いアビリティ合わせを行い人数を削る必要がありますね。

警戒されづらい場所に入って一気に敵の人数を削る

また、詰めて情報を取りに行ったり前目(Aロビー辺り)で守るのも良いでしょう。

しかし、DRXはアラームボットで詰めを警戒し、敵が来たと分かるとスキルをAロングに入れエリアを取り返してきます(+詰めてきた敵を狩ってきます)。そのため普通にオフアングルで立ってるだけだと倒されて終わりです。

Aを複数人で詰め、何とかしてマルチキルを取る必要があるのです(DRXは銃でのカバー、スキルのカバーも早いため1-0交換は難しい)。2022 Stage1 ではPRXが3人でAを詰めてDRXの勢いを崩していました。

早めのリテイク

エリア取りセットアップ開始設置、ポジション移動リテイクに備え待機

サイト中守りは難しく、ポジションにつかれたらリテイクは難しい。。。それならその間を狙えば良いのです。スパイク設置中なら実質人数が一人少ない状態になりますし、ポジションにつかれていなければクロスも組まれづらくなります。

言葉だけだと簡単に見えますが、これを完遂するにはまずVSがAサイトへ入る段階でサイト周りまで味方が寄れている必要があります。最初からAを攻めることが分かっていれば良いですが、もちろんBにもCにも攻めてきますしそう簡単にはいきません。DRXはスタンダードとしてミッドとCに分かれて情報取りをして来るので、Aスタックしていたらバレて別のサイトに攻め込まれてしまいます。これはつまり、早めのリテイクはエリアコントロールで勝つことが大前提になる作戦だということを意味しています。

また、リテイクのスキル合わせも少しでもミスするとその隙を付かれるため、油断は出来ません。

裏取りの人数を増やす

正面からのリテイクはカバー配置とスキルでの遅延で難しいため、Fnaticのように単独死しないようにツーマンセルで裏取りをしに行くのがリテイクの回答の一つになりそうです。ただ、DRXも裏取りの対策ぐらいはもちろん用意していて、Fnatic戦では様々なオフアングルを用いて裏取りを潰していました。

ただ、裏取りに注力していることがバレるとDRXもアビリティを極限まで節約してAサイトに入ってくる(FNC戦の最後の方)ので難しいですね。

cNedにオペレーターを持たせてAに置いておく

VSはcNed選手のオペレーターを徹底的に警戒しているので、ヘイヴンのAに限らずどの場所でもジェット(cNed選手)がいると一目散に逃げていきます。

半分は冗談ですが半分は本気です。カバーキルをされないジェットで無理やりワンピックを取る動きがVSに刺さるは、別マップの試合からも見て取れます。強引な動きで予想外のキルを生み出せるパワフルなジェットが必要です。

ただ、VSは少人数戦も上手いので、人数有利を作った後も気は抜けません。

DRXのA攻めのパターン

Aラッシュ

AロングとAショートをアビリティで取り、そのままAサイトへラッシュを仕掛けます。シンプルですが強力で、DRXはヘイヴンのピストルラウンドでは大体このAラッシュを使用しています

対ZETAのセカバイAラッシュも印象的でしたね。サイト内にいたTen選手とdep選手が一瞬でDRXの波にのまれてしまいました。

ミッドからローテート

DRXのヘイヴンのスタンダードの動きは、まずミッドを取って情報を集めることに始まり、その後攻めるサイトを決めていきます。

索敵スキルや体で情報を取り、敵の少ないサイトを叩いていくのが基本の動きで、見た感じミッドで敵を一人倒した後にAへ行くことが多いように感じますね

5vs5
ミッド(or C)で1人倒されると…

ヘイヴンは見なければいけない場所が多く、ミッドやC側で誰かが欠けると別の場所から見張りを補充する必要が出てきます。するとAを守っている誰かが移動せざるをえなくなり、Aの守りが薄くなってしまいます。

おそらくDRXは、ヘイヴンにおけるこの基本的な考え方を採用していると思われます。

まとめ

  • ヘイヴンのAサイトは斜線を切れる物がサイト真ん中のトラックしかないため、サイト中守りが難しい
    →DRXのアビリティ合わせとカバー意識も加わり中で止めることはほぼ不可能
  • ヘイヴンのAサイトは、設置後のカバー配置が強く遅延スキルも刺さりやすいためリテイクが難しい
  • 世界大会で戦ったチームは前目で止めるか、早めのリテイクを仕掛けるか、裏取りの人数を増やすかで対策していた

毎回A攻めしてくることが分かっているならある程度対策も出来ると思いますが、ヘイヴンはBサイトもCサイトもあるのでそう簡単にはいきません。Aを複数人でプッシュするとしても、そのことをDRXに知られたら速攻でBかCに走られます。難しいですね。

一度攻めるサイトを決定すると全員が1箇所に集まるDRXの習性を利用できれば、一矢ぐらいは報いることが出来るかもしれません。

ちなみに、spikeggの統計によるとDRXのヘイヴンの勝率は90%、攻撃側の勝率は67%もあるそうです。一番大差で負けたのは1年半前のアジア大会で行われた対T1koreaの7-13だそう。そしてDRXが最後にヘイヴンで負けたのは1年前のF4Q戦で、その試合もオーバータイムまで粘っています。強すぎますね。もし皆さんがDRXと戦うことになったら、ヘイヴンはピックしないようにしましょう。

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