本日4/3(日)、VALORANT Champions Tour(VCT)Stage1 Mastersのトーナメント表が公式Twitterにて公開されました。
日本代表の「ZETA DIVISION」はAグループに配属され、韓国代表の「DRX」と初戦を行います。今回はそんなDRXについてどんなチームなのかを簡単に紹介していきます。
DRXのチーム概要
DRXとは、昨年の韓国VCT Stage1,3で優勝を果たした「Vision Strikers(VS)」です。VSのメンバーはCS:GOからVALORANTに移行するやいなや、First StrikeやVCTなどの公式タイトルで優勝、国内102連勝の記録も保持している、文句なしの韓国最強チームです。
今年1月、VSはDRX(Dragon X)にチームごと買収されました。また、年末にはlakia選手とk1ng選手が脱退し、体調不良で休んでいたZest選手が復帰、その他のメンバーはVSの時と同じになります。
世界での戦績
VCT Stage3 Masters Berlin
- DRX 2 – 0 Paper Rex (SEA)
- DRX 2 – 0 Acend (EMEA)
- DRX 1 – 2 Gambit Esports (EMEA)
Stage3では予選は難なく突破しましたが、決勝トーナメント1回戦でGMBに当たり敗退してしまいました。
VALORANT Champions
- DRX 2 – 0 Full Sense (SEA)
- DRX 1 – 2 Fnatic (EMEA)
- DRX 1 – 2 C9 (NA)
Championsでは、LCQで日本代表Nthと激闘を繰り広げたFull Senseにあっさり勝ちましたが、その後FnaticとC9に1-2で敗北。予選で敗退してしまいます。
選手紹介
BuZz
BuZz選手は韓国有数のオペレーター使いです。あとクナイが上手いです。
Championsでは調子の悪い場面が少し見られましたが、普段の調子が出ていればZETAも破壊できるほどの実力を持っている恐ろしいジェット使いになります。
と思いきや、BuZu選手は今年はジェットは使わずスモークやセンチネルを使用しています。ただジェットで培ったポテンシャルは健在で怖い存在なのは変わりありません。
今年はRb選手がオペレーター係になっていますが、チェンバーを使用するマップではBuZz選手のULTが火を噴きます。
Stax
韓国随一のフィジカルを持つ男。イニシエーターの中でもとくにフラッシュ持ちのキャラ(ブリーチ、スカイ)を使用しています。
撃ち合いの強さはさることながら、アビリティの使い方も非常に参考になりますね。味方をサポートするためのアビリティが上手く、ジェット×ブリーチのエントリーが特徴的です。
また、自分のために使うフラッシュも一級品で、撃ち合いの強さと相まりマルチキルをよく生み出します。
crow選手が献身的なブリーチだとすると、stax選手は献身的+攻撃的なブリーチです。試合ではこの2選手のスキルの使い方の違いに注目してみてください。
あとアジアだとFS所属のPTC選手とプレイスタイルが似ていますね。
Rb
最初期はジェット使いとして活躍していましたが、2021年にBuZz選手が加入した後はイニシエーターを使っていました。
が、今年のVCT Stage1ではデュエリストを使用しています。あのRbジェットがついに帰ってきました。
オペレーターの上手さは相変わらずで、これにZETAがどう対処するのかが勝負のカギになりそうです。
Mako
元ジェット使いのモクキャラ担当。
ジェットで培った圧倒的なフィジカルと判断力で、敵を欺き勝利に貢献するキルを量産する化け物スモーク使いです。
ZETAのSugarZ3ro選手が撃ち合いS立ち回りSSだとしたらMako選手は撃ち合いSS立ち回りSぐらいあります。ZETA対DRXでは、この2人のスモーク使いの動きを観察するのがおすすめ。
Zest
昨年のStage3から体調不良で休養をしていたZest選手が帰ってきました。
チームでは主にソーヴァを使っており、IGLも務めています。Zest選手がいない間はRb選手がソーヴァをやっていましたが、今年の試合を見る限りやはりソーヴァの使い方はZest選手の方が上手いですね。
チームの特色
セットプレイが上手い
VSの最大の特徴と言えば、やはり練りこまれたセットプレイですね。アビリティの合わせ方やタイミングが手練れており、日本シーンでは中々見られないスピード感を生み出しています。
特に、DRXは2020年からブリーチのフラッシュとジェットのエントリーを合わせたセットの動きを得意としており(VS構成、VSのセット等と呼ばれています)、セットが刺さりやすいヘイヴンやスプリットを得意マップとしています。
ZETAはどう対策するのか
DRXのセットを止められなければZETAに勝機は無いので、これをどう対策するのかが勝負のポイントになってきます。
幸いSugarZ3ro選手がアストラを使えるので、敵のエントリーに合わせて吸い込みで止めるのが主になるでしょうか。ただDRXもフェイクなどでアビリティを使わせてくるので、一筋縄ではいかなさそうです。(数秒止まっただけで普通にエントリーされてサイト中壊滅させられていましたね・・・)
カバー意識が高い(固まって動く)
攻めでエリアを取りに行く際も、守りで詰める際もDRXは基本的に複数人で行動します(ラークやオペ持ちは除く)。
カバーの動きを徹底することで、EMEAのようなフィジカル差のある相手にも引けを取らない試合を行えるのです。
堅実な動き
DRXはVS時代から堅実な(甘えない)動きを得意としています。
撃ち合った後はきちんと引き味方と歩調を合わせたり、他のチームだったらリテイクに行くであろうタイミング(DRX 3 vs 4 相手)でも武器のキープを選択したりと、安定択を取る傾向にあります。
ただ、安定択ばかりでなく稀に強気な動きやハイリスクハイリターンのポジションを使いマルチキルを取ってくるので、油断は出来ません。
敵の動きを読み、対応する
DRXは対戦相手への対応力も一級品です。
対FNCのヘイヴン戦では、Aへのセットを止められない、常にリテイク配置にしているFNCの傾向を読み、ひたすらAへの攻めを繰り返しています。最初はスキルをしっかり入れてサイト内をクリアリングしていますが、後半はスモークのみでサイトを取っています。
さらにFNCが裏取りに人数をかけていることも、裏取り対策のポジションを転々と変えることで対策しています。
また、Stage3のAcend戦も特徴的でしたね。ひたすらオペレーターを警戒してスキルを入れるなど、cNed選手を避ける動きが徹底されていました。
このように、DRXは相手の特徴をしっかり分析して対策してくるのでZETAもそれに飲まれないようにしたいですね。
ただ、そんなDRXでも対FNCのフラクチャーは攻めへの対応がかなり遅れていた印象がありました。FNCのアビリティの猛攻に、サイト内で守っていた選手がなすすべもなく倒されているラウンドが続いていましたね。珍しい。
ZETAは昔、DRXと戦ったことがある
VALORANTがリリースされてまだ数か月の頃開かれたアジア大会「A.W EXTREME MASTERS Asia Invitational」にてZETA(当時はAbsolute Jupiter)とDRX(当時はVision Strikers)は一度戦ったことがあります。
その時は2-0でDRXが勝利しましたが、メンバーが大幅に変わった今、再び行われるこのマッチで勝つのはどちらになるでしょうか。
また、CS:GO時代もZETA(当時はAbsolute)とDRX(当時はMVP)は何度も大会で戦っているため、わりと歴史のあるマッチアップになります。
ZETAとDRX、どっちの方が強い?
ZETAも強いですが、今までの実績を考慮すると間違いなくDRXの方が格上になります。
ただ、DRXはMastersに出ているチームの中ではまだZETAにも勝機がある方かなと思います。FNCもメンバーが2人変わっていたりして、グループ分けにはそこそこ恵まれていますね。
また、ZETAはDRXとよくスクリムをしているそうなので、相手への対策や新たに持ってきた作戦次第ではZETAが勝てる未来も全然ありえます。
相手はアジアでも1,2を争うレベルのチームですが、頑張れZETA!#ZETAWIN